脱脂洗浄・工業洗浄の違い
脱脂洗浄で使われる溶剤(洗濯でいうところの洗剤)は大きく分類すると3種類があり、それぞれに特徴があります。
洗浄液の種類により洗浄結果は大きく左右されるので、慎重に選定をする必要があります。
- 炭化水素系洗浄剤
- 有機溶剤系洗浄剤
- 水系・準水系洗浄剤(アルカリ性洗浄剤など)
このうち本間産業では、炭化水素洗浄・有機溶剤系洗浄(トリクレン)に対応しています。
1.炭化水素系洗浄剤当社で対応可能
長所
- 油性汚れに対する洗浄力が強い
- 蒸留再生が可能
- 環境に優しい
- 金属を腐食しない
- 樹脂に対する影響が小さい
- 塩素や芳香族分が含まれていない。極めて臭気が低い
- 化学的、熱的安定性が高い
短所
- 「可燃性の危険物」である事。消防法の規制を受けるとともに、洗浄装置側でも防爆などの対応が必要
総評
洗浄性能も高く、環境への配慮を両立した洗浄剤です。
環境管理の国際規格「ISO14000シリーズ」の認証取得や環境を配慮した製品を優先的に購入する「グリーン調達」に対応した洗浄剤です。
可燃性の危険物なので取扱い側には配慮が必要です。
2.溶剤系洗浄剤(塩素系やフッ素系、臭素系)当社で対応可能(塩素系・トリクロロエチレン)のみ
長所
- 汚れ(特に油分)に対する溶解力が強く、洗浄性に優れる
- 乾燥性が良い
- 蒸留再生が可能
短所
- 環境規制があります
総評
強力な洗浄力が特徴ですが、その洗浄力の強さゆえ環境への負荷も強く、
規制、削減の方針も打ち出されています。
3.水系・準水系洗浄剤(アルカリ性洗浄剤など)の特徴当社では対応できません
長所
- 幅広い汚れに対応可能
- 毒性が少ない、あるいは無害である
- 引火点がなく、安全上の規制を受けない
- VOC規制をはじめとする各種環境規制も適用外
- 比較的安価である
短所
- 乾燥に時間がかかる
- 金属部品では錆や変色を誘発しやすい
- 汚れの種類によっては、溶剤系と比較して溶解力が弱い場合もあり、洗浄装置側の物理的補助(超音波やシャワーなど)が必要
- 排水処理設備(又は産廃)が必要
- 一般的に装置コストが高い
総評
安全性が高く環境規制も適用外ですが、そもそも洗浄に必要とされる洗浄力が弱く、 汚れが落ちない可能性があります。